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栃木県矢板市・齋藤淳一郎市長 第3回「妊婦一人当たりに占める保健師の人数が県内一!」 | ママスタセレクト

Posted on February 20, 2024 by Pulse

栃木県矢板市・齋藤淳一郎市長 第3回「妊婦一人当たりに占める保健師の人数が県内一!」 | ママスタセレクト

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第1回から読む。

前回からの続き。こども家庭庁が推奨する「こどもまんなか社会」に賛同した矢板市は、栃木県内ではもっとも早く「こどもまんなか応援サポーター」を宣言しました。具体的な取り組みとして、矢板市オリジナルの子育て支援策「Yaitaこどもまんなかプロジェクト」を始動させています。
前回(第2回)の齋藤淳一郎矢板市長へのインタビューでは、家庭内の助け合いの「自助(共助)」、地域での支援の「互助」について教えていただきました。第3回目の今回は、自治体からの支援「公助」ついてお聞きします。
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妊婦一人当たりに占める保健師の人数が県内一。その強みを活かした独自の支援「矢板版ネウボラ」

――矢板市が栃木県内で最初に「こどもまんなか応援サポーター」を宣言できたのには、理由があるのでしょうか?

齋藤淳一郎矢板市長(以下、齋藤市長):矢板市は、妊婦一人当たりに占める保健師の人数が栃木県内でもっとも多い自治体です。この強みを活かそうと考えたのが、「矢板版ネウボラ」なんです。「ネウボラ」とはフィンランド発祥の子育てシステムで「助言の場」という意味があります。妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援するとして、フィンランドの国民に支持されているものですね。矢板市も、この「ネウボラ」をヒントにして独自の支援を始めています。

――具体的にはどのような取り組みをされていますか?

齋藤市長:まずは妊婦さんへのサポートです。県庁所在地である宇都宮市では、1人の保健師さんが担当する妊婦さんは約100人。対して矢板市は29人です。その分手厚いサポートができることに繋がります。妊娠届を提出した妊婦さんにはアンケートを実施し、具体的な不安や心配事をうかがっています。その後必要に応じて面談をしていますが、多い方では月に1回のペースの人もいるようです。

――今後力を入れたいことは何でしょうか?

齋藤市長:令和5年度から新しく始まった取り組みに、「マタニティエクササイズ教室」と「Yaitaのママトレ(産後の体操教室)」があります。運動をして体力をつけたり健康管理をしたりするのも目的ですが、妊婦さんや産後のママたちの孤立を防ぐためのものでもあります。
まだ地域のつながりがある矢板市とはいえ、若い世代ではご近所との関わりがない方もいます。またご両親が遠くに住んでいるなど、支援が得られない方もいます。このような教室で他の妊婦さんやママさんと交流をすることで、仲間を作ってほしいと考えています。また今後は妊婦さんとママさんが一緒にエクササイズができるような場所も作る予定です。出産・育児を経験した人から得られる情報は大きいのではないでしょうか。

健診を増やすだけでなく、発達に悩む親御さんをフォローする

――産後の取り組みもありますか?

齋藤市長:出産後の乳幼児健診が多いのも特徴です。法定の乳幼児健診は1歳6ヶ月、3歳6ヶ月の実施ですが、矢板市はこれに加えて3ヶ月、4ヶ月、10ヶ月、2歳6ヶ月も実施しています。他の自治体では健診を医療機関に委託することも少なくありませんが、保健師の人数が多い矢板市は、市が集団健診の形で行っています。

――健診の回数が多いと、親御さんとしては安心できますね。一方で、わが子の発達面を他のお子さんと比べる機会も多くなるため、心配する親御さんもいるのではないでしょうか?

齋藤市長:子どもの発達について心配を抱えるご家庭には矢板市独自の取り組みでもある「あおりんご教室」に通っていただくことを勧めています。「あおりんご教室」は発達に不安を感じる親御さんとお子さんが就学前に一緒に参加できる教室です。年長児のお子さんが、小学校入学に向けて、少人数での集団活動を通して強みを伸ばし、自信をつけていくものです。この教室でいろいろな体験をすることで、子どもの成長を感じる親御さんもいるようです。
また親御さんはペアレントトレーニングを受けることもでき、子どもへの声のかけ方や接し方を学ぶことができます。
教室に通うことで親御さん同士が情報交換をしたり悩みを打ち明けたりすることもあるようで「この声かけはよかったんだな」という自信につなげているケースも見受けられます。親御さんの表情も次第に明るくなっていくようです。

家庭・地域社会をミックスさせた子育て支援の実現を目指す

――矢板市の子育て支援策をひとことで表すとしたらどう表現されますか?

齋藤市長:「ミックス子育て」と言えるかもしれませんね。ときどき、子どもは親が育てるのか、家庭が育てるのか、社会が育てるのかという議論を目にします。
なかでも「社会が育てる」という部分は地域との連携が必須になるので、難しいと感じる自治体も少なくないでしょう。その点、矢板市は地域の関わりが残っている地域なので、この3つをミックスさせることが可能だと考えています。「Yaitaこどもまんなかプロジェクト」はこのミックス子育てをベースにして成り立っている制度なのです。
地域のボランティアによる放課後子ども教室、矢板市の特産物を使う学校給食とどれも矢板市の特徴を生かした子育て支援策です。小さい自治体ですが、逆に小さいからこそできることもたくさんあると感じています。

(編集後記)
「矢板版ネウボラ」は、妊婦一人当たりに占める保健師さんが栃木県内でもっとも多い矢板市だからこそできる支援です。さらに市長が表現した「ミックス子育て」は小さい自治体の強みを生かした取り組みだといえるでしょう。インタビュー最終回の第4回では、齋藤市長ご自身の子育て体験とその思いをお聞きします。

参考:矢板市ホームページ
※取材は2023年11月に行いました。

【インタビューをもっと読む】バスケットボール・河村勇輝選手、教育評論家・親野智可等さん、そのほか専門家が多数登場!

文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・crono

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